地中に秘めたパワーを蓄える「赤キクイモ」 -青森県・五所川原市-(2022年10月20日掲載)
初秋、3メートル近くになる草丈の先に、菊に似た可憐な黄色い花を咲かせる「赤キクイモ」。キク科ヒマワリ属の多年草で、日本在来の野生種が由来。数年前に品種登録されたことを受け、2020年7月に有志が集い、五所川原赤キクイモ生産者協議会(以下、「協議会」)を設立しました。五所川原市内の農地で栽培し、新たな特産(地域ブランド)化を目指しています。
東北農政局
「赤キクイモ」は、毎年5月頃に植え付けすると、草丈はあっという間に人の背丈を超し、9月下旬頃に開花。その間、地中の根菜は栄養分を蓄え続け、11月に収穫期を迎えます。掘り起こされたイモの表皮が、見るも鮮やかな赤色をしていることから「赤キクイモ」と呼ばれています。
この「赤キクイモ」。弘前大学などの研究発表によると、水溶性植物繊維イヌリンや植物色素成分アントシアニン等が豊富に含まれているとのこと。このイヌリンは、腸内環境を整える効果や、糖尿病などさまざまな生活習慣病の原因となる血糖値の上昇を抑える効果があると言われています。また、イモの部分だけでなく、葉や茎の部分にもイヌリン等が含まれていることがわかりました。さらには、「イモ」と呼称されているにも関わらず、デンプンをほとんど含まない低カロリーな野菜としても注目されています。
協議会では、生芋での販売は行わず、パウダー(粉末)状に加工し、五所川原産「赤~い喜久芋パウダー」との商標登録名で販売しています。パウダーは、お茶やコーヒー、お味噌汁に加えるとコクが増し、サラダや天ぷら、お菓子等に加えると、手軽にたくさんのイヌリンを摂取することができるとのこと。副会長の川口哲氏は「化学肥料や農薬を使用しないこだわりの栽培方法で作っている「赤キクイモ」を、是非、試していただきたい。これからも、栽培管理、加工や販路等に関する課題をひとつずつクリアして、五所川原市の「赤~いりんご」に並び立つ特産品になるよう努力していきます。」と力強く話していました。
「赤~い喜久芋パウダー」は、五所川原市の名所、太宰治記念館「斜陽館」、金木観光物産館「産直メロス」、RABオンラインショップ等で購入することができます。
https://www.maff.go.jp/tohoku/rin/tayori/aomori/r04_aomori.html